起立性調節障害の改善に子供の鍼灸(小児鍼)
先日、日本小児はり学会の特別講習会で
起立性調節障害の理解と対応、鍼灸が改善に有効であった症例について学んできました。
講師は起立性調節障害に関する研究で医学博士号を取得された大阪医科薬科大学病院小児科の吉田誠司先生でした。
大阪医科薬科大学病院では麻酔科のペイン外来で鍼灸師が鍼灸治療をしています。
吉田先生が診ている起立性調節障害の患児さんはそこで鍼灸治療を受けています。
先生は起立性調節障害の改善に鍼灸は有用であるとおっしゃってました。
小児起立性調節障害診療ガイドラインにも鍼灸の症例報告があり
今後のさらなる研究が待たれるところであると記されているそうです。
当院でも数年前から
起立性調節障害の小中学生のお子様が来られるようになりました。
朝に症状が強く、なかなか起きられないので学校には行けてないです。
睡眠が乱れている子がほとんどなので睡眠の質、量を良くする治療
食欲不振やお腹が痛い子には胃腸を元気にする治療
子どもの症状に合わせて頭痛や動悸の治療などの治療もします。
起立性調節障害以外の症状はわりと早く治りやすいですが
東洋医学でも自律神経の改善はすぐには無理なのでしばらく通院は必要になります。
今回日本小児はり医学会で起立性調節障害について専門家から詳しく学ぶことができたので
今後の小児はりや子どもの鍼灸治療での起立性調節障害の改善に役立てていけると思います。
現在、不登校の子どもは約30万人と報告されていて
その中の3〜4割に起立性調節障害があるといわれています。
未だ正しい知識が浸透されていないため
気持ちの問題とかサボってるとか怠けてるなどと言われて
辛い思いをしているお子様がたくさんいるということです。
起立性調節障害は短期に治るものではありませんが、少しずつ良くなっていきます。
起立性調節障害に東洋医学の鍼灸という選択肢があることをもっと多くの方に伝えて知ってもらいたいと思っています。