約48年継続して来られた患者さん
夏の終わりに残暑見舞いをもらいました😊
89歳の女性の患者さんからです。
40歳の時交通事故に遭われて大怪我をされました。
しばらく入院していましたが、退院してからも起き上がるのがやっとで
日常生活がままならなくなり
ご主人に担がれて杉原鍼灸院に来られました。
その頃父は泉州では鍼の名医として広く知れわたっていましたので
周囲の人から鍼を勧められて、わらにもすがる思いで来たとおっしゃってました。
後日、本人から聞いた話ですが
最初は鍼が怖くてベッドにしがみついてガチガチ震えていたら
大先生(父のこと)がいろいろ話かけてくれて
怖い、怖いって言う私を
小さな子供をさとすように
怖ないし、痛ないよって言いながら治療してくれて
もう一生寝たきりやと覚悟してたのに普通の身体に戻してくれて助けてくれて
感謝しかないですとおっしゃってました。
その後は後遺症もなく、周りも本人もびっくりするくらい元気に回復されたそうです。
それからは鍼は素晴らしい、私の身体に合ってるからとずっと通い続けて
父が引退し私の代に変わってからも来られてました。
旦那さんを早くに亡くされて、ずっと一人暮らしでしたが
今年の春、娘さんのお家に引越されて行かれました。
お元気でいらっしゃるかなぁと気になっていたので
ハガキをいただいて安心しました。
ハガキには
永い間お世話になりました。
本当にありがとうございました。
先生方のおかげで今日がありますことを感謝致しております。
と書かれてました。
約50年、父と私の鍼を受けてくださった患者さんです。
どの患者さんにも治療してる時には必死で
患者さんの身体を良くすることだけを考えていて
患者さんから私がどう思われているのかは考えたことなかったですが
こんなふうにハガキをもらってお礼の言葉を目の当たりにすると
信頼されていたんだなと
心が熱くなりました。
こちらの患者さんを治療することはもうないんだなと思うと
さみしいです。
どんな人ともいつかは別れはあります。
だから今来られてる目の前の患者さんを
精一杯治療していきます。